秋明菊と薄羽カゲロウ

豪華でないけれど

待ち遠しい秋明菊シュウメイギク

毎年、庭で秋明菊が咲く

目立つような花ではないけれど

切り花として売られてもいないけれど

わたしはこの花の姿を見ることが好きである。


秋晴れの雲のように清々しい白

感触がないほどの薄い花びら


無駄に葉を付けず、すぅーっと素直に伸びる細い茎

ふわふわと動く、まんまるの愛らしい蕾


でも、ここ数年、桜色の秋明菊が増えてきた。

なんでだろう。

白よりも勢いがない。


今年は薄羽カゲロウを見なかった。

すっかり暗くなった帰り道

渡る橋の上には無数のカゲロウが

電灯に引き寄せられて舞っている。

道路には桜の花が散り積もったかのように

死んだカゲロウたちの真っ白な羽が溢れている。

申し訳ない気持ちで車を走らす。


でも、今年はいなかった。

何かが、変わった…。

カゲロウがいて、秋明菊がいるのかな。




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